冬のコートを選ぶとき、「なんだか太って見える」「着た瞬間に重たくなる」と感じたことはありませんか?
実はその原因、体型ではなく骨格と素材のバランスにあります。
同じ身長・体重でも、骨格によって「厚み」「重心」「ラインの出方」はまったく異なります。
年齢を重ねてもすっきり見える人は“骨格に合うコート”を選んでいるのです。
この記事では、2025AWのトレンド素材を踏まえながら、骨格タイプ別に「着膨れしない冬コート」の選び方を整理します。
なぜ“冬コートは太って見えやすい”のか
冬服は、厚みのある素材に加え、重ね着・暗色・ロング丈と“ボリューム要素”が重なります。
その結果、身体に対して余白が多すぎたり、逆に厚みを重ねすぎたりして、シルエットの重心がずれるのです。
着膨れを防ぐコツは、「体を小さく見せること」ではなく、“重さを逃がす位置”を整えること。
ラインと素材のバランスを正しく選べば、冬でも軽やかに見えます。
骨格ストレートタイプ│直線的なラインで“厚み”を整える
ストレートタイプの特徴:
・上半身に厚みがあり、体に立体感のあるタイプ
・厚手のコートを着ると、上半身のボリュームが増して見えやすい傾向があります
似合うコート:
・ジャストサイズのチェスターコートやテーラードコートなど
・肩線がぴったり合う設計(ドロップショルダーはNG)
・素材は高密度ウールやリバー仕立てなど、ハリと光沢のあるもの
トレンド素材との相性:
・「シャープな艶感」
・ストレートタイプには、ハイツイルウールやリバーコートのような、表面が滑らかな素材が◎
・黒を着る場合も、光沢によって“厚みより深み”を演出できます
避けたいデザイン:
・オーバーサイズ・肩落ち
→ 立体感が強調され、着太りして見えやすい
・起毛感の強いメルトン生地
→ ボリュームを足してしまうため、マットになりすぎないように注意が必要
スタイルアップのポイント:
・縦のIラインを意識
・襟を立てる、フロントを軽く開けるなど、直線を見せる工夫をしましょう
骨格ウェーブタイプ│重心を上げて“軽やか”に見せる
ウェーブタイプの特徴:
・上半身が華奢で、下半身に重心が集まりやすいタイプ。
・ロング丈や重たい素材を選ぶと、全体が沈んで見えやすい
似合うコート:
・ショート〜ミディ丈のAラインコートやノーカラーコートなど
・小さめ襟・ウエストマークなど、コンパクト設計
・素材は軽量ウール・リバー仕立て・フェイクスエードなど柔らかめ
トレンド素材との相性:
・「包み込むような軽やかさ」
・ウェーブタイプは、リバーコートやフェイクスエードなどふんわり揺れる素材が得意。
・黒やグレーでも素材に柔らかさがあると、自然な軽さが出ます
避けたいデザイン:
・ロング丈・ストレートシルエット
→ 下重心が強調され、バランスが悪くなる
スタイルアップのポイント:
・上半身をコンパクトに見せ、視線を上に集める工夫を
・マフラーやアクセサリーを使って、上方向にボリュームを持たせるとバランスが整います
骨格ナチュラルタイプ│“ざっくり感”を味方にする
ナチュラルタイプの特徴:
・骨や関節がしっかりしていて、全体的にフレーム感のある体型
・厚手の素材も着こなしやすく、ラフな印象が似合います
似合うコート:
・ドロップショルダー・ラップコート・ダブルボタン・ツイード素材
・ロング丈やオーバーサイズもバランスよく決まる
・少しざらっとした質感・天然素材系が得意
トレンド素材との相性:
・「クラフト・ヘリテージ」
・ツイード・ボア・メルトン・ヘリンボーンなど、素材の凹凸や重厚感が骨格の存在感を引き立てます
・ブラウンやチェック柄を選ぶと、今年らしい“包容感のある大人スタイル”に
避けたいデザイン:
タイト・コンパクトなショート丈
→ フレーム感が強調されて窮屈に見える
スタイルアップのポイント:
・「余白」を残す着こなしが最大のコツ
・衿を抜いて着る、袖を軽くまくるなど、自然な抜け感を作ると今っぽさが際立ちます
クラフト・ヘリテージとは?
職人の手仕事や伝統を大切にした、上質で長く使える服や小物のこと。
世代を超えて使えるような、しっかりした作りの革のバッグや、素朴で温かい雰囲気のセーターのイメージです。
まだ骨格タイプが分からない方へ!絶対に外さない3つの共通ルール
まだ自分の骨格タイプが分からない方や、着こなしの基本として知っておきたい、冬コート選びの”外さない”3つの共通ルールをご紹介します。
- “タイト”より“ゆとり”で軽さを出す
→ ジャストサイズ過ぎず、適度な「ゆとり」を持たせる。 - “前を閉じる”より“Vラインを残す”
→ 縦の抜け感が生まれ、全体がすっきり。 - 丈は「ひざ下5cm」を目安に
→ 長すぎると重く、短すぎるとバランスが崩れやすい、無難で失敗しないラインです
素材memo
【メルトン】 分厚く圧縮され、保温性・撥水性に優れた冬コート定番のウール生地。光を吸いやすく重たく見えがち。
【リバーコート】 二重織りで軽く、裏地なしで滑らかな手触りが特徴のコート。着流しやすく、ウェーブやストレートに人気。
【ツイード】 太い糸で織られ、凹凸感と素朴な風合いが特徴の、丈夫な毛織物。ナチュラルタイプに特におすすめ。
色を変えなくても印象は変えられる
形と素材を整えるだけで、同じ黒やグレーでも印象は大きく変わります。
コートを「体を隠す服」ではなく、骨格を美しく見せる服として選ぶと、冬のおしゃれがぐっとラクになります。
骨格タイプを参考にして整えると冬の“重さ”が軽くなる
自分の骨格タイプが分かるとー
・似合う形が明確になり、試着で迷わない
・着膨れせず、素材の厚みを味方にできる
・同じ黒でも“軽く見せる”選び方ができる
この冬は、「骨格タイプで整える」視点を持つだけで、いつものコートが見違えます。
無理に新しい流行を追わなくても、形を変えるだけで印象は十分アップデートできるのです。
そしてその変化は、“着やせ”ではなく“整う”という実感につながります。
自分の骨格を知ることは、服選びをラクにし、毎日の装いに自信を取り戻す第一歩です。

